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√Relation
人から人へ繋がるリレー形式のインタビュー。
ここではデザイナーやバイヤー、クリエーター、ショップスタッフ等から繋がり、インタビュイーのルーツやバックグラウンド等を紹介。

√ Relation vol.0025 HACHI

  2012.09.12 update

BALMUNG designer HACHI

・現在に至るまでの経緯

ファッションが好きで福岡から18歳の頃に上京してきました。2006年頃からブランドを始めています。渋谷にあった最高にかっこよかったセレクトショップが僕の服を売ってくれることになったことがきっかけです。それからはまだ新宿二丁目にあった頃のCANDYで働いていました。BALMUNGの服もCANDYに置いていたのですが、そこでは店員として接客からバイイングから店のディスプレイなどのイメージ作り、エキシビジョンの企画、
そのうちロンドンコレクションにブランドの買い付けに行ったりするまで活動は広がりました。しかし僕は最終的にお店がやりたかったわけではなく自分の服が作りたいと思っていたので、CANDYが大きく軌道に乗ってきたあたりでCANDYを辞めさせて頂いて、自分の服作りに集中し始めました。

それから2007年に"DINNER"という名前の5人による合同インスタレーションのような形で空間エキシビジョンを行いました。5人ともそれぞれが小さくとも強いブランドを持っています。他の4人っていうのはbodysong.の青木、runurunuの川辺、今はロンドンでKEI KAGAMIのアシスタントをしているんですがobsessの北田、それからDINNERのそもそもの考案者のコンセプターであり5人にとっての要の存在でもあるスタイリストでありアーティストでもある市野沢。この5人による"DINNER"はそれから1年に1度のペースで行われていました。それからは展示会を行ってビジネス的にも少しずつ成長してきたところですが、2010年のあたりで衣装の仕事が急にたくさん舞い込んでくるようになりNYのアーティストのTERENCE KOH、LADY GAGA、加藤ミリヤ、他にも色々と作る機会がありました。また友達のユリアちゃん(MADEMOISELLE YULIA)や同じく友達のfancyHIMのTAPくんやでんぱ組.incの夢眠ねむちゃんなどにも衣装を作らせてもらったりすることもあり、そういった仕事ができることがとても楽しいです。

それからPARISの展示会に参加したりLONDONの友人のお店PRIMITIVE LONDONでロンドンファッションウィーク中にエキシビジョンをやらせて頂いたり、先シーズンには東京コレクションウィークにFAKE TOKYOで初のインスタレーションショーをbodysong.とrunurunuと行いました。

・BALMUNGの名前の由来、コンセプトはなんですか?

BALMUNGという名前は僕の大好きなゲームの中に登場する剣の名前なんです。
単純に自分の服にどんな名前をつけるのか?と考えると、自分の根本の部分に近いものである言葉を選ぶことが、その後の長い自分の服作りの中でもブレることも無いだろうと考えたからです。今現在も、この名前で自分の服作りに対してぴったりだと感じています。

・「都市と人との関係性」は時として変化していきますが、自身が「都市」や「人」に感じる変化等はありますか?

人々の生活に与える要素は、社会が多様化していく中でどんどん多くなっていきます。X軸とY軸だけだった世界に新たにZ軸が加わっていくような感じです。新しく影響を与える軸が増えていくのでますます多元的で複雑でシンプルではない相関関係になっていきます。最近は去年の震災からの東アジアでの政治関係の悪化による雰囲気によって、ファッションにも新しくナショナリズム的な意識の有無やそこに対する個人性の表れのようなものが要素として加わっておりそれが表面化してきていると感じます。これは最近の東京にはなかった雰囲気です。またSNSやスナップ写真によるコミュニケーション、場を介せずに(ローカリティが軽くなって)その対象となるファッションを見たり感じたり影響を受けているので、そういったことが普通となっているヒトにとってはもはやネットがファッションを構成する下層域であり地域や国や気候といった違いのほうが上層域となっているのかもしれません。本来のローカリティが持っていた秩序の逆転現象が起こっています。それはつまりファッションを支える論理の逆転をそのまま生み出すものだと考えています。

・現在までで手掛けた作品や出来事で印象に残っているものはありますか?

色々とありますが、あらためて考えてみるとその一瞬一瞬の全てがとても印象的で大切な出来事でした。全てに感謝しています。

・海外での展示や販売も増えておられますが、日本と海外での反応に違いはありますか?

日本と海外では違います。さらに日本は島国です。そういった意味で中国や韓国や香港などとも違います。日本人は良くも悪くもヨーロッパで言うところの"ファッション"に対して歴史的にも物理的にも色々な意味で距離があります。だからこそファッションに対してファンタジックにもなれるし逆に無意識にもなれるというか。日本人から見てアメリカ人が「サムライ、ニンジャ」と言ってへんてこりんな認識をしているようなものと似ていて、日本人もファッションというものに対してある意味幻想的になれる距離や空白を持っているんだと思います。そういった意味ではヨーロッパは歴史の長さによる生活や文化の中への根付き方の違いからか、やはりどこか現実的だと思います。保守やコンサバという意味ではなくて大きな意味で"ファッション"という認識に対して懐が深いというか。逆に日本の良さという点では、複合的な表現としてのファッションやルールやTPOの無いモノでも日常の中に溶け込ませてしまう凄みがあると思います。日本人が持っている物事を「工芸的」に捉えようとする視点と先述したファッションに対しての想像力の自由さがそうさせてるんだと思います。

・コレクションを発表する際や、展示会等のアートワークや空間ディレクションはご自身でされているのですか?

はい、自分で作っています。写真を使ったり、木を使ったり、光や音を素材に空間を作りあげることが多いです。
原始的というのか、元素的な要素に惹かれることが多く、そういった興味の対象として今後も作り続けていくと思います。

・今現在で注目している事

ネットとかでとても便利な社会になったし、SNSも当たり前の世の中になってきたから、昔のようにネットによって開ける世界がとても退屈になってきてしまっているので、やっぱり自分の足で歩いて、自分の手で触って、目で見て耳で聴いて、自分の頭で考えることに注目しています。今時、自分が知ってるようなことは他人も大抵知ってますし。

・今後予定している活動

2013SSシーズンの展示会をパリでROGGYKEIというブランドと一緒に行い、その後東京で10月にrunurunuと展示会「COCOON6」を行います。
特にこれといった特別に派手な予定はありません。笑

・今後チャレンジしたい事はありますか?

強い可能性を開いていきたいです。

・自身のルーツや、バックグラウンドとなった物はなんですか?

何を触っていたのか?ということよりも、最近はむしろ自分が福岡出身であることがなにか影響しているような気がしてきました。僕の大きなルーツやバックグラウンドとは福岡と東京にある距離感にあるような気がします。あと、ポップなものは好きです。

・紹介者の MADEMOISELLE YULIA 氏について

ユリアちゃんが高校生の頃から知ってるから今になって思うとなんか照れくさいけど、彼女の誠実さや真面目さというのは本当に凄いですよ。
そういうところ、本当に尊敬してます。一緒にロンドンの話とかしてたり買い物に行ったりパーティ行ったりしてたのが楽しかったです。笑

・次回紹介する人と、その人について

runurunu designer 川辺靖芳

友人であるrunurunuのデザイナー、川辺くんです。彼の持つ重さと軽さはとても面白いです。彼は同じく僕の大切な友人のbodysong.の青木くんから紹介してもらって知り合って以来いろいろと仲良くしています。一緒に展示会を行っており、お互いの服作りの成長の過程を共有しているので、そういった意味でも戦友のような感じでもあります。笑
個人的に彼の3年先、5年先の服作りがとても見てみたいと思っています。

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BALMUNG designer HACHI

BALMUNGデザイナー。2006年頃より自身のブランドBALMUNGをスタートさせる。
2008年、友人たちと共に服作りを中心とした空間インスタレーション「DINNER」を行う。
2010年にパリの展示会に参加。2011年にロンドンで単独のエキシビジョンを行う。
東京ではMADEMOISELLE YULIAを始め、加藤ミリヤ、夢眠ねむ、海外ではLADY GAGAや韓国のアーティストへの衣装提供など。
またNYのアーティストTERENCE KOHがディレクションしたTHE INTERNATIONAL誌にてBALMUNGが衣装を制作。

http://balmungtokyo.web.fc2.com/